彼は、理想の tall man~first season~

明日カーナビで行けば済む話でも、念には念を――でないと、不安。

朝の通勤時間は、その時間帯特有の渋滞がある。

車通勤だからって、遅刻など決して赦されるものではなく。

焦らない為にも、ポイントはしっかりと抑えておきたい。


「ちょっといい」

「あ、はい」

「会社の場所は、ここか・・・」


敦君は、PCを覗き込むと、地図を拡大しながら、ルートを追って見てくれた。

そして、この道は信号が多過ぎるからこっちの道に出て、ここは昼間でも魔の交差点だから、ここを抜けて行った方がスムーズに行けるかも知れないとか。

道順を追いながら、色々と考えてくれた。


「実際、何回か走ってみて、練った方がいいんだろうけど。昼間もここはなかなか進めない道だから、朝も恐らく通らないで行った方がいいと思うよ」

「――はい」


マウスで使ってはダメな箇所をグルグル動かして、それを聞く私。


道に詳しい人なんだな――なんて思いながらも、さっきよりも近い距離に、否応なしに心臓が暴れる。

だけど、必要最低限の距離だから、安心していられる距離感。

こういう感覚が、敦君とは合っている気がするんだよな。
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