償いノ真夏─Lost Child─
「俺は、何があっても小夜子の味方だから」
泣きじゃくる小夜子を、真郷は優しくなだめた。小夜子の一番欲しい言葉を囁きながら、抱き締めて髪を撫でてくれる。
それがひどく心地よく、彼の心音を聴きながら目を閉じれば、いつしか不安も消えていた。
「も……大丈夫……ありがとう」
そうして身体を離すと、真郷はまた優しく微笑んだ。
それから、自然と繋いでいた手を離すことなく二人は再び歩き出した。