『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
彼らはすぐに見つかった。


なぜだか男は辺りを見廻し、こそこそした雰囲気。


マリー・ルイーゼは立ち止まっては歩く。


そんな様子が、エルンストの目を引いたのだ。


彼らは舞踏会室を出て行こうとしていた。


「いったいどこへ行くんだ?」


エルンストは再び階段を降りた。





廊下を行く2人の後をそっとエルンストは尾行した。


ふたりっきりになって何をするのか……。


ひとつは城の物を盗む……もう一つは……逢引き。


少し泳がせてみるか……。


マリー・ルイーゼの方は気乗りしないようで男に引っ張られてようやく歩いているように見える。


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