トランキライザー

 がつがつした子だこと。

「俺の部屋に来たら教えてあげる」

 下心を見せたらどんな反応するかな。別にどうでもいい女だ。嫌われようが、軽蔑されようが関係ない。

「行っていいの?行く行くーっ」

「えっ?」

 軽い。軽すぎる。

「えっ、って何?ダメなの?」

「・・・いいよ。今から行く?」

 そう言うと少し驚いた顔をしたあと、俺の耳元に顔を近付けてきた。

「外で待ってるから、すぐ来てね」

 小声で彼女はそう呟いた。そして、にこっと笑った。
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