トランキライザー

「良かったぁ、来たー」

 俺が店を出てすぐに、美和ちゃんは俺の腕に、自身の腕を絡めてきた。

「抜けても大丈夫なの?」

「いいよぉ。どうせ、敦志くんも、匠くんも相手してくれないしー」

 そういうことね。男を漁りに来たけど、相手にされず、あとから来た俺を他の女に行かれる前に捕獲したってことね。

 ・・・くっだらねぇ。

 でも、そのくだらないもんに乗ってやるよ。

「行こうっか?」

「うんっ」

 腕に絡みついたまま、俺の家へと向かった。
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