トランキライザー

 良かった。知られてなくて。

「その話をしていた時にな、つぐみちゃんが、おまえは寝不足そうじゃないか、ご飯はしっかり食べているかって気にしてたんだ」

「あぁ、それで俺の顔覗いてきたんだ」

「そういうこと」

 そういうと店長はふっと笑った。

「幸せ者だな。おまえは」

「・・・は?」

「別れてからも、心配してくれる奴がいるなんてよかったじゃないか」

「そうかな」

「まぁ、一歩間違えばストーカーだがな」

「ははっ。確かに」
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