トランキライザー

「ごめんなさい、次からはちゃんと連絡するから、ごめんなさい」

 声が震えている。泣いているんだろうか。

「ちゃんとするから。本当だから」

 ひたすら謝るつぐみ。彼女は嘘つきだ。きっとこの約束だって破るだろう。

 それでも、結局つぐみを捨てることが出来ない。

 こうやって怒ってるくせに、謝られたら許してしまう。いや、許すんじゃない。別れないと選択しているだけだ。俺は彼女の嘘すらも愛してるのかもしれない。
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