トランキライザー

 あちこちテーブルの確認や、トイレの掃除などをしていると他にも客が入ってきた。

「いらっしゃいませー」

 予約の客たちが帰る気配を見せている時だった。

「やっぱり入ってくるね」

 葵がグラスに水を注ぎながら呟いた。

「あぁ、本当繁盛するな」

 俺がこの店で働き始めた当時からこの店は繁盛していた。きっと店長の人柄のおかげなんだろう。

「さー、頑張りますか」

 葵が注いだ水をトレイに乗せ、オーダーを取りに客の元へと向かった。
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