トランキライザー

「なんでそう言い切れるわけ?俺は知らないよ」

 面倒臭い。

「なんで知らないのよ。一緒に住んでるんでしょ?」

 本当に面倒臭い。

「俺は昨日友達の家に出掛けてたから知らないだけ。そんなに気になるなら本人にでも聞けば?」

 苛々してきた。なんだって元カノにこんな話ししなくちゃいけないのか・・・。早急に賄いを食べ、席を立った。

「ふーん、なんかありそうな雰囲気だったのに」

 葵はつまらなさそうな顔をしていた。その顔を横目で見ながら、皿を片付けに行った。
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