トランキライザー
本当は浮気だって、許すつもりなんてこれっぽっちもなかった。でも、そうでもしなきゃ、あいつはどこかに行ってしまう。
余裕のある男だと見せたかった。強い男でありたかった。だから、家に男を連れ込もうと、普通に接した。何事もなかったように。
でも、限界を超えていると感じてしまった。つぐみと一緒にいるのは、もう無理なのかもしれない。このまま何も変わらず繰り返すのであれば、俺はあいつに壊されてしまう。