はとぽっぽ
~another story~third
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【波都嵐】



俺は…歩穂を傷つけた…



あの日、歩穂が車にひかれそうになったあの時…


俺は菜月の事故の瞬間を思い出した。



歩穂が…菜月に見えた。



菜月は同じ境遇で育った…家族のようなものだった。



いつでも2人で、お互いに支え合って生きてきた。



俺の隣には、菜月がいるのが当たり前で…



その日常がいきなり無くなったあの日から、俺は一歩も前に進めていなかった。



だから…この気持ちは…歩穂に対する気持ちは、恋ではないのかもしれない…


そう、思ってしまった。


歩穂と菜月はどことなく似ている…


いつの間にか、歩穂に菜月を重ねて見ていたのかもしれない…



もしそうなら、俺は歩穂と付き合ってはいけないと思った。



俺のことを真っ直ぐに好きになってくれた歩穂の気持ちを、裏切ってはいけないと思った。



だから…歩穂に別れを告げた。



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