少年的恋愛論~そして僕は恋を知る~
キーンコーンカーンコーン
朝の8:30にHR開始のチャイムが鳴る。
しかし誰も席につかない。
僕の目の前には香水臭い女子数人が、昨日のテレビなどの報告をするために立っている。
「大路くんは昨日のドラマ観たぁ?」
「観てないけど」
「えぇ~!超面白かったよぉ。あたし録画してるし観るぅ?」
「いいよ、興味ないし」
出来れば僕に構わないでほしい。
テレビドラマに興味はないし、何より香水臭くてならない。
毎日のように同じような中身のない会話をして何が楽しいんだろう?
「俺観たい!」
「悟には言ってないしぃー」
悟と呼ばれたこの男と僕は友達になった覚えはない。
ただ僕に寄って来る女子と仲良くなりたいが為に、親しくもない僕の席まで毎日毎時間やって来る。