《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「……………」



昔と同じ、爽やかな笑顔と口調。



変わってないな……やっぱり、
高校生の時のイメージ
そのまんまだ。



だけど、驚いたのは
それだけじゃない。



――笑えるんだ、こんなふうに。



あたしには、とても笑って
再会を喜ぶことなんてでき
ないのに――この人に
とっては、そうじゃない。



5年たてば何事もなかった
ように、こうして声を
かけられるんだと。



……その事実が、鈍い刃
(ヤイバ)のように、あたしの
心を音もなく刺した。


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