《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
―――イケメンモデルが、
あたしの部屋にいる。



冴えないフリーターの、
しがない一人暮らしの部屋に。



(……ゆ、夢かな……)



でも、もうほっぺたなら
何回もつねった。



そのたびに痛くて、でも
目の前の洸さんの顔は
変わらなくて――

やっぱり、これはどうやら
現実らしい。



「本当にすみません、仁科さん。

急に押しかけたのにこの
傍若無人ぶりで、呆れる
でしょう?」



丁寧に謝ってくれるのは、
一緒に来たマネージャーの
瀬戸さんだ。



「あ、はい……あっ、いえっ」


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