《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
あたし以外誰も触れた
ことのないシーツに、男の
人の手が……お尻が……。



(――ク、クラクラ
してきた……)



「まったく……
すみません仁科さん、
デリカシーのない奴で。

あ、僕はこのままで
けっこうですのでお構いなく」



瀬戸さんがそう言って、
スッと壁際に寄った。



「は、はい……」



かくして、ベッドに座る
洸さんと壁際に立つ瀬戸
さんの間であたしがラグの
上に座り――何ともいびつな
三角形が出来上がる。



「洸、仁科さんの時間も
あるんだから、早く」


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