いじめられっ子の華麗な素顔

それは、中学1年の春。


大体が、初等部(小学校)からの入学生。



私のクラスも例外ではなく、顔見知りばかりだった。


そんななか、遠くから越してきたという、ひとりの少女がいた。



上辺だけの人付き合いが嫌になり、

ひとりになろうとしていた私に、彼女が話しかけてきた。



「月園さん。

 私、雅野はるか っていいます。

 もう結構グループになちゃって、私入れないんだ。

 仲良くしましょう?」


『月園凛子。よろしく。』


どうせまた、家柄目当ての奴だろうと、
そっけなく挨拶を済ませた。



「凛子って呼んでいい??
 
 私のことははるかって呼んでね♪」


私がYESの返事をする前に、

私のことを、「凛子」と呼び、つらつらと話をする彼女。



同年代・・・・はおろか、「凛子」なんて呼び捨てで呼ばれることはあまりなかった。

だからか、新鮮な気持ちになった。

はるかは初めて話たその時、“月園財閥”の名を一度も出さなかった。
< 46 / 113 >

この作品をシェア

pagetop