恋愛上等 あんたなんか大っ嫌い

長い廊下の一番奥の部屋

「失礼します」

襖をあけ、お父さんの前に座った。

「学校はどうだ?」
「勉強に励んでいます」

前置きにはできるだけいい答えをする。

「そうか。では本題だ」

頭のお父さんの話は私にとってあまりいい話じゃない。

「一条組と手を結ぼうと思う」
「つまり、私は一条組のご子息と婚約するのですか?」
「ああ」

ほら、やっぱり。
そろそろだと思った。もう16歳になったしね;

「明日、一条組に行く。決めるのはそれからでいい」

「わかりました。準備しておきます」

婚約かー。なんか気が重い;

「さがっていいぞ」
「はい」

部屋から出てため息。
「疲れたー。…一条組ねー」


そんな何気ない一言さえも誰かに聞かれていたなんて…


< 3 / 23 >

この作品をシェア

pagetop