恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
その瞬間、フッと全身の力が抜けた。
やっぱりだめだ。
何をやっても………
何をやってもうまくいかない。
「……はぁ」
今度はため息をつく、目の前の男。
次は何?
「そうやっていつも諦めてきたのか?
今回もまただめ。何をやってもだめ。
そんな風に投げ出したのか?」
ジッとわたしの目を見ながら、問い掛けてきた。
すごく綺麗な真っ黒い瞳。
目が離せない。