雨宿り
「渉、ちょっと渉って」
「へっ?」
「どうしたん?変な顔して」
「あの先生…」
「かっこええやろ」
「……」
俺…気に入らん。
「江上先生っていうねん」
「ふーん」
江上でも江川でも関係ないわ。
「来年な、私のお兄さんにならはるねん」
へっ?来年、お兄さん?
どういう事ですか?
「私の大姉、薔子姉な、知ってるやろ?」
薔子さんって一番上の幼稚園の先生してるお姉さんやったな。
「薔子姉のフィアンセやねん。江上先生は」
「へっ フィアンセ!薔子さんの?」
び、ビックリした。
「うん。だから、この病院に運び込まれたんや」
「あっ、そ、そうか」
ほっとした。