雨宿り



もうすぐ5時になる。

「渉、早よぅ」

また引っ張られクリスマスツリーの所へ

5時がツリーの点灯式。

美桜が目を輝かせてる。

「5、4、3、2、1」

点灯!

――



ほんまや、綺麗やな。

美桜が俺の耳元で

「HAPPY CHRISTMAS 」

俺も美桜の耳元で

「HAPPY CHRISTMAS 美桜」

美桜の左手を取って、薬指に指輪をはめた。

「えっ?」

美桜が驚いて薬指の指輪と俺を交互に見比べてる。

「クリスマスプレゼント。ちょっと歪んでるけどごめんな」

「渉が作ってくれたん?」

「うん」

俺のお袋が趣味でシルバーアクセを作ってるんで頼み込んで教えてもろた。

サイズは薔子さんにこっそり電話して聞いた。

「あ、ありがとう」

あ~美桜の目から雨降りそうや。

「美桜…泣いたら化粧はげるで。パン ダになる」

俺の肩に顔を埋め

「もぅ~渉の阿呆」

泣きながら怒ってる。

ほんま、何しても可愛いなぁ。

これからも毎年言いたい。

美桜…

MERRY CHRISTMAS

これからも ずぅ~と俺の傍にいてな。

………

……




< 189 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop