雨宿り
もうすぐ5時になる。
「渉、早よぅ」
また引っ張られクリスマスツリーの所へ
5時がツリーの点灯式。
美桜が目を輝かせてる。
「5、4、3、2、1」
点灯!
――
―
ほんまや、綺麗やな。
美桜が俺の耳元で
「HAPPY CHRISTMAS 」
俺も美桜の耳元で
「HAPPY CHRISTMAS 美桜」
美桜の左手を取って、薬指に指輪をはめた。
「えっ?」
美桜が驚いて薬指の指輪と俺を交互に見比べてる。
「クリスマスプレゼント。ちょっと歪んでるけどごめんな」
「渉が作ってくれたん?」
「うん」
俺のお袋が趣味でシルバーアクセを作ってるんで頼み込んで教えてもろた。
サイズは薔子さんにこっそり電話して聞いた。
「あ、ありがとう」
あ~美桜の目から雨降りそうや。
「美桜…泣いたら化粧はげるで。パン ダになる」
俺の肩に顔を埋め
「もぅ~渉の阿呆」
泣きながら怒ってる。
ほんま、何しても可愛いなぁ。
これからも毎年言いたい。
美桜…
MERRY CHRISTMAS
これからも ずぅ~と俺の傍にいてな。
………
……
…