雨宿り
「美桜、渉君来たよ」
「は、はい」
慌てて下に降りてお迎え。
ハハ …
渉…緊張してる。
「渉、来てくれてありがとう」
「こっちこそ呼んでくれてありがとう」
渉だけに聞こえるような小さい声で
「これ、ありがとう」
左手を見せた。
「い、いや。気に入ってくれたらそんでええんや」
「う、うん。めちゃめちゃ気に入った」
昨日、帰ってお風呂入る時に外して、よく見たら…リングの内側に何か刻んであった。
そこには
『LOVE.M&W』
エヘヘヘヘ…
う、嬉しい!
「お二人さん、そんなとこでいちゃつ いてないでこっち来なさい」
大姉~
いちゃついてないでって…いちゃついてません。
二人リビングに入って、緊張しまくってる渉に両親を紹介した。
うちの親は気さくでざっくばらんやから、何とか渉の緊張もほぐれ笑顔で 江上先生やお姉らと喋ってる。
よかった。
私も一安心や。
食事も終わって、ケーキも食べて
どうしよう。
もうすぐお開きになる。
いつ渡せるんや。
気持ちは焦るけど…