雨宿り
「食べてもええ?」
「あ、うん」
チョコレートを食べて
「美味い」
「ホント?」
「うん」
嬉しそうな顔をしてチョコレートを食べてる。
手作りしてよかった。
渉のこんな顔が見れるなんて。
――
―
「あ、雪」
「ほんまや。寒いわけやな」
「えっ?」
渉の首にマフラーを
「これ?」
「うん。バレンタインのプレゼント」
手に取って
「美桜が編んだん?」
「うん。あんまり見んといて。編み目が揃ってへん」
チョコレートだけやと何やからもう一つプレゼントしたいなと思い、生まれて初めて編み物に挑戦した。
何せ不器用やから大変やったんやけど…
渉が喜んでくれてるのを見たら…
頑張ったかいがあったわ。
「美桜」
「うん?」
渉の方を向いたら
口づけを
「美桜、ら、来年も」
「うん。来年も再来年もそのまた次もまたその次も…渉がいらんって言うまで作るわな」
「美桜…」
抱きしめて耳元で
「ほな、一生な」
渉…
うん。
一生作るわ。
そやから…
ずっと傍にいてな。
渉…
大好きやで。
※Fin*