ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
俺がレジの正面へ辿り着く直前、そいつはスルリと俺の前へ滑り込んだ。


ちょっ、てめっ! とムカついたが、当然、そんなことはチキンの俺が口にできるはずもなく。

苛つきながらも、30は超えていないだろう、スーツを身に纏った青年の背後に大人しく並んだ。



この薬局『ハートフルドラッグ』で、レジの為に並んだのって、俺が初なんじゃね? 俺って、ラッキーボーイじゃね?



青年がレジカウンターの上に、栄養ドリンク一本をトンと置く。

ビジネスマンよ、ファイトォー、いっぱぁ~つ!



この店を一人で切り盛りしている老婆は、それを手にし、その小瓶に張り付いたラベルを凝視した。


ここのレジはもちろん手打ち。

バーコード? 何それ美味しいの? だしね。


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