―罪―
 

比較的新しいこの町は、俗に言う新興住宅地と言われ、何年か前から続々と家が立ち並ぶようになったらしい。



まだ真新しい家々は、白い壁に色とりどりの屋根が連なり、削られた山手の方から見下ろすと、爽快な景色を見せてくれる。



住宅が増えるにつれ、必然的に人口も増え活性化する街は、さらに外部から人を呼び込む。



中心から円形に膨れ上がる街は、山などの障害物をも削り取り、そこに新しい家が立ち並ぶ。



流れる小さな川には、アンティーク調の橋が架けられ、薄いピンクのタイルを敷き詰め、ヨーロッパ風の街灯に明りが灯される。



山から続く小川は、多少の紆余曲折があるものの、街を縦に流れゆく。



その川が最終的にどうなるのかは、誰も知ることがないのかもしれない。


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