仔猫を拾った王子様









那李は────


この上なくカッコいいことを言った。














「絶対、認めてもらいます。俺達のことを。






──では、急ぐので失礼します」




頭を小さく下げて、那李はあたしの腕を引っ張って部屋を出た。




「とっとと歩け。遅い女は嫌われるぞ」




さっきとは全く違う口調。



でもあたしはこっちの那李の方が、好き。




那李の車に乗って、あたしたちは梨沙さんの屋敷を出た。






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