オオカミ達との暮らし方。
 「翔汰!おっ、降ろせーー!!!」

ここはあくまでも男口調で。

ばれたらヤバいもんね!


あたしが騒いだせいでクラスのみんなの視線はあたしに集中。

あわわわわ・・・。やっちゃった・・・・・・。



「翔汰ぁ~。なに朝っぱらから男を姫抱っこしてんだよ」

「誰?見たことねぇ顔だけど」


みんなしてあたし達の方に向かってくる。

こっ・・・怖いよぅ・・・。

お、おかーたんっっ!!!ヘルプミーーー!



「え、えっと・・・。そのぉ・・・」


「ヤベっ。なんか可愛いんだけど」


ほぁああぁぁあぁあぁあぁ!?!?!?


かっ、可愛いだとぅ?!

一瞬超嬉しかったじゃねーかコンチクショウめ!!



「なんだなんだー?騒がしいぞ。早く席着けー」

ハッ!先生!!ナイスタイミング。救世主ーーー!


はかったとしか思えないような綺麗なタイミングで先生が入ってきた。


先生ありがとう!!この恩は一生忘れないぜ!

と、先生に向かって心のなかで必死に手を合わせている春流であった・・・。



「春流。こっちこーい」

先生に手まねきされて仕方なく教卓の前に出る。


コホン。とひとつ咳ばらいをし、先生はあたしを紹介し始める。

「えー。今日からこのクラスの仲間になる。七瀬 春流君だ」

実によくある紹介の仕方だ。

そして黒板に大きくあたしの名前を書いた。


すると、奥の方から男子の声が聞こえた。

「春の流れで春流だってー。女みたいな名前だな」

「実は女だったりしてな。ハハハッ」


みなさん、ごもっともです。





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