その男、危険人物にて要注意!!




「あと少しなので、向こうで休んでいてください」


「んー、手伝うよ」


「本当に、あと少しなんで…… 」


本当にダメなんだって――― 近すぎる。


「わかった。 何かあったら呼んで」


それだけ言って、松田さんはあたしから離れていく。

テレビの前に置いてあるクッションに座ったのをこっそり確認し、あたしは料理を、再開させた。


あっ、そういえば……。

ケーキ、買い忘れた。

買っておけばよかった。


ふと、そんなことを思った。


冷蔵庫に何か甘いものでも、残っていなかったかな?


「紗雪ちゃーん、またケーキを買ってきたよー。 ご飯のあとに、また食べなー」


「ありがとうございます!」


あーあ、結局また松田さんに買ってもらっちゃった。

次こそはあたしが買ってこよう。

…… 次があるかわからないけど。


「できた!」


よしっ、夕ご飯の完成。




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