その男、危険人物にて要注意!!




「買っていこうかな……」


松田さんはいつもコーヒー飲んでいるみたいだったし…… 運転のお礼も兼ねて、買ってもいいよね?


缶コーヒーとオレンジジュースを手に持ち、お会計を済ませる。


「松田さん」


「紗雪ちゃん! 探したんだ」


ここの売店は比較的広く、売店の隣には食堂のようになっているつくりである。

いくらランチタイムを外しているとしても、人が多い。


「なにか買ったの?」


「はい、飲み物です」


「あとは大丈夫かな?」


「はいっ」


並んで車に戻り、エンジンを掛けようとしている松田さんを止めた。


「松田さん」


「んー、どーしたー」


「コーヒー、よかったらどうぞ……」


「……」


松田さんの視線が、あたしの右手に持つコーヒーに移った。


「コーヒー、嫌いでしたか?」


「あっ、いや。 ちょっとびっくりして……。 ごめんね、気を使わせたみたいで」




< 83 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop