眠り姫はひだまりで


…………え?
 
 
ヘルメットをとって見えたのは………

 
よく見知った顔だった。



「お兄ちゃん…………?」


 
「おう。久しぶり、色葉」



そう。自転車にのっている男の人は………


地方の大学へ行き、今日三ヶ月ぶりに帰ってくる、お兄ちゃんだった。


「え、色葉のにーちゃん?」


突然の登場にポカンとしている純くんを、お兄ちゃんはキッと睨んだ。



「………お前、色葉の彼氏か」



「………え」
「は?」



かっ……………彼氏~~~!?


  
「ちちちち違うよ!!」


両手をぶんぶん振って否定する。


「お、そうなのか?」


「なんでそんな嬉しそうなの!」

 
お兄ちゃん…………

じゅ、純くんが彼氏なんて。


今の私に言っちゃいけないこと、ナンバーワンだよぉ!!

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