眠り姫はひだまりで


純くんを見る。

どうしよう。

一応純くんのお買い物は終わったけど………。

なんか、このままバイバイってゆーのも、なんか…………。


私に気づいた純くんは、なんだか遠慮がちに言った。


「あー、いいよ。俺のことは気にすんな。つき合わせてごめん。また学校で会えるし………」


「……で、でも………………っ」


私が。


……………って、言いそうになるのを、必死でこらえた。

 
今言っちゃったら、いろんな意味でシャレにならない。


おろおろしていたら、お兄ちゃんはさもあっけらかんと言った。


「何言ってるんだ。そこの少年もうちにこい」


「………は?」

「………………へ」


このにーちゃん、今なんて言った?


ふたりで唖然としていると、お兄ちゃんは「いくぞ」と言って、自転車を押して歩き出した。


…………は、え、ちょっ………!!


…な。

なにぃ~~~~~~っ!?




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