眠り姫はひだまりで


「純って、水野純のこと?」


「そ!最近純、二組行っても全然いないの!二組の男子に訊いても、知らないって言うし!ホントどこいってんの!?」


…そうだったんだ。

純くん、空き教室に行ってること、ホントに誰にも言ってないんだ。

………まぁ、言われちゃったら、広まって純くんファンが来かねないから、困るけどぉ。

「………………」


……………てゆーか………


純くんって、やっぱりモテるんだなぁ。

あの女子たちが二組行ってたことなんて、私全然知らなかった。

それに、きっとあの子たちだけじゃない。

純くんに会いに二組行ってる子は、まだいるんだろうな。


「………色葉。空き教室でなにがあったか教えて。そして、色葉の今の気持ちも」

葉くんは、怒る女子を必死になだめている。

それを無言で見つめる私に、ミオもドアのほうを見ながら言った。


「…………………うん」


教室に戻ってきたら、ミオに話そうと思ってた純くんへの気持ち。



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