眠り姫はひだまりで


そういえば、一度も訊いたことなかった。

自分で訊くのもアレなんだけど…


「先輩は、私のどこが好きなんですか?」


いたって真面目に訊いてみた。

ずっとききたかったんだよね。
出会ってさして話すこともなく、数日で好きだと言われた。

そんなハイスピードで、一体私のどこを好きになったんだろうって。

すると、さして先輩は悩む素ぶりも見せず、こう言い放った。

「え…顔?」

顔!?


「いや、だって、色葉顔かわいーじゃん」

あっけらかんと当たり前のように言われる。

褒められているのかもしれないけど、今はそんなこと気にならない。

か…顔!よりによって顔!!


「ほ…他にないんですか?」


「他?他は…大人しくて…なんか、小動物みたいなとこかな?」


なんか…えぇえ?
つまりは、外見。

……ってことは…先輩は、私に会って顔を見て、ハイスピードで好きになって告白に至った、ってこと?

一目惚れなの?それは。
で、でも…内面的なとことか…な、ないのぉ?

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