眠り姫はひだまりで


「それで、公立のうちの高校に……?」


「うん。今の学校なら電車も使わないから」


そうだったんだ…………。



「大変だったね…」


「大丈夫だよ。今はだいぶ安定してきたから。夏がいちばん大変だったかなぁ」


はは、と笑う大和。


お母さん思いの優しい大和だから、きっとなにか無理したり我慢してたりすることあるんじゃないのかな。


そう思うと不安になるけど、大和のおうちのこと。


私にはどうすることもできないし、私が下手に首突っ込んでいいことじゃない。


「…………私が助けれることあったら、言ってね。困った時は、相談してね」


このぐらいしか言えないけど…。


心配そうに見上げる私に、大和は優しい笑顔をくれた。


「うん。ありがとう」
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