眠り姫はひだまりで

「笑わないで下さいってばぁ!!」


やっとまともに言えたぁ………。


半泣きになりながら彼を見ると、あろうことか笑いをこらえていた。

 
「ちょっとーーーー!?」


「ごめんごめん。面白いねー、さすが『癒し姫』だ」


えっ?

『癒し姫』って…

この人、私のこと知ってるの!?


「なんで、私のこと…………?」


「顔見てすぐわかったよ。だって有名じゃん。『六組の癒し姫』は笑えるって」


笑えるって、なにソレ!
 
嫌な知名度!!


最っ悪の覚えられ方だよ!!



「………でも私、あなたのこと…」


「知らない?だろーねー。俺二組だから校舎違うし」


あ……………

そっか。だからわかんなかったんだ。


うちの学年は、一、二、三組が別館、四、五、六組が本館にあって、新校舎二つに分かれてるんだ。



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