眠り姫はひだまりで


ずるいなぁ、この人。


「………よ、よろしくね………」


とりあえず返してみたけど…………。


「俺のことは純でいーから。色葉ちゃんのことは、なんて呼べばいー?」


にこにことして、話を進めていく。

えっと……

「な、なんでもいーけど…………あ、『癒し姫』以外がいいなぁ」


葉くんが言うやつ。

あれは恥ずかしいし。




「りょーかい。んじゃ、色葉」


 
………のわあああぁあぁあ…!!


さらっと!さらっと!

そんな…!

いいい、色葉って………!!


呼び捨て!いや、男子に呼び捨ては普通にされるけど!

でも!

なんか違うっていうかぁ…………。



「俺のこと名前で呼んでみて?色葉」


に、と美しいお顔が、私を見て笑う。

あー、やばい。気絶しそぉ。

私は、くらくらしてきた意識を必死に働かせた。


「………じゅじゅ、純………くん?」


「なぜ疑問系」


「や、呼び捨てなのか、くんづけなのかわかんなくて」


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