眠り姫はひだまりで


「…ありがとう…………」


だんだん、じわじわと涙が出てくる。

お母さんはそんな私をみて、「荷物置いて、制服脱いでらっしゃい」と笑った。


「お料理、冷めちゃうわよ。早く食べましょう」


私は、急いで階段を駆け上がった。

…ミオの言ってたこと、本当になっちゃったなぁ。

待っててくれた。

私が帰ってくるのを、ふたりは待っててくれた。

うう…嬉しいなぁ。


涙が出そうになるのを堪えながら、制服を脱いで、また階段を降りる。

リビングで、お母さんと優馬が笑って私を見ている。


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