眠り姫はひだまりで


最後のご飯の一口を食べると、「じゃあ」と言って、私は席を立つ。


「いってきます」


手を振ると、ミオは「いってらっしゃい」と言ってくれた。







資料室に着いて、壁の扉を押す。

どきどきと、心臓がなる。

とてとてと、銀の通路を通る。


…久しぶりだな。

あのときケンカしたときから、空き教室行ってなかったし。

純くん、いるかな?


通路の行き止まりでギギ、と壁を押す。

漏れた光と懐かしい空気に、目を細める。


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