眠り姫はひだまりで


「……………」


…これから、空き教室に行かなくても、会えるんだよね。

今までは、校舎も違うから全然会えなかったけど。

…嬉しいよー…!


純くんの後ろ姿を見ながら、スキップしそうになる足を抑えて、廊下を歩く。


「ポスター、作らなきゃね」


隣で大和が、一枚の大きな紙を眺めながら、言う。

各クラス一枚、バザーについてのポスターを作って、教室に貼らなきゃいけないらしい。

「そだねえ」

さっきの純くんとの会話のおかげでニンマリが止まらない。

大和が、不思議そうに首を傾げる。


「…なんか機嫌いいね?」

「えへへ、バザー委員、やる気になってきたぁ」

「それはいいことだけど…」

ふふふ。

純くんと会話は出来なくても、接点ができたことが嬉しい。


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