眠り姫はひだまりで


…ちょっとだけ、残念だけど。

親友の恋がうまく行こうとしてるのに、私が邪魔しちゃあかんでしょう!

「気にしないで!私今すっごい嬉しいんだから、ね!」

笑うと、ミオも眉を下げて笑い返してくれた。

「…ん。ありがと、色葉」

「うん!」

あれだったら、理紗ちゃんたちと食べて、とミオが言う。

理紗ちゃんたちは、私がいつも空き教室へいったあと、ミオがよく一緒にお弁当の続きをしてる子達。

私自身も、ミオの次によく話すグループの子達だから、一緒にご飯を食べるのは全然構わないんだけど。

「…うん。わかった」

私は小さく笑って、席についた。


…ホントは、昨日のこと、ミオに相談したかった。

でも、仕方ないよね。

せっかく綺麗なミオが、やっといいなって思う人見つけたんだから。

応援、しなくちゃ。


私は担任の先生が教室に入ってくるのを、ぼうっと見ていた。





昼休み、私は理紗ちゃんたちに声をかけることなく、教室を出た。


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