眠り姫はひだまりで
純くんに熱い視線を送っていた女の子たちは、純くんが爽やかな笑顔を送ったことで、キャーキャー叫びだした。
「純~おっはよぉ!」
「ねぇ!水野くんっ、お昼一緒にたべなぁい?」
「やぁーんっカッコイイーじゅーん!」
……………すげぇ。
思わず呆気にとられた。
めちゃくちゃ甲高い声を上げて、純くんに迫る女の子たち。
そんな女の子たちに、笑顔で応える純くん。
「おはよー。あー、今日の昼は無理だわ、ゴメン!カッコイー?だろ?サンキュー」
純くんの言葉に、ますますテンションがヒートアップする女の子たち。
純くんは本館に入るまで、カッコイーやらサイコーやら、あげく大好きーとか愛の告白を、背中に受けていた。
周りの生徒は、見慣れたようにスルーしていく人、呆れ返っている人、目を丸くしている人………など、さまざま。
………あー、私、いつも朝遅いから、この光景を初めて見るんだよね。
けどいつもこの時間に登校する人は、たぶんこの光景見慣れてるんだ。
きっと、目ぇ丸くしてる人は、私みたいに遅刻常習犯なんだろう。