眠り姫はひだまりで
「…でもね。今になって、思うの。あのときの気持ちは、きっと恋だったって。ごめんね、気づけなくて。今更だけど、伝えさせて」
大和は苦しそうに眉を寄せて、私を見ていた。
その目は、やっぱり大好きな彼の瞳で。
安心できる、心地よい暖かさ。
いつだってその目で、私のこと見ててくれたんだね。
「…好きになってくれて、ありがとう。…大好きでした」
彼が、私に手を伸ばした。
そして、強く、強く抱きしめる。
「…や、大和…っ」
「ごめん。今だけだから。ほんと、ごめん…っ」
彼の手の力が強くなって、私の瞳にも、また涙が浮かぶ。
大切だったの。
この腕も、この声も、ぜんぶ、ぜんぶ憧れていた。
優しい優しい彼を、私の目はずっと見ていた。
大切で、大切で…その想いがどんなものか考える前に、大好きになってしまっていた。
本当に、ごめんね。
大好き。すごく、すごく、大好き。