俺様彼氏の説明書



廊下から素早く体を中に滑り込ませてホッとする



南西に位置しているこの場所は、昼間はポカポカと暖かいせいで部屋の中は相変わらずその温度を蓄えていた



けれど夕方は西日もキツくて時折目を細めそうになる



私は眩しさに目を背けながら、斗真くんがいつも座っている窓際の本棚のあるフロアを目指した



他のフロアでチラホラ勉強しているカップルを見かける



そんなカップルを見ていると私もその仲間の一人になれたのだと秘かに微笑みながら私は前を見て立ち止まった



え…?



ちょうど、斗真くんがいるであろう場所に目を凝らす



西日がキツくてよく見えないけれど、そのシルエットは斗真くんではないような気がした



あれ?


誰だろう…




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