Love Prince―18歳の初恋―【完】
ママに部屋を借りて、お姉ちゃんが持って来てくれた、黒のワンピースに身を包み、白のカーディガンを羽織ってリビングに戻ると、先生も着替えを済ませて、眠気覚ましのコーヒーを飲んでた。



「先生、目は覚めた?(笑)」



矢田先生の隣に立ち、顔を覗き込むと、「近いな」と、冷静に言われた。



「ドキドキした?(笑)」



「何に」



「私にだよっ!!」



先生は首を振って、コーヒーを飲み干して、立ち上がった。

…ドキドキしないのかぁ。

色気のない私は、まだまだ子供なのか。

気分がローになりながらも、ショルダーポーチに財布と携帯、今日はデジカメを入れて、出掛ける準備をして、玄関に走る。
< 112 / 440 >

この作品をシェア

pagetop