Love Prince―18歳の初恋―【完】
「貞包を…特別に思う」



独り言のように呟かれた言葉に、胸がドクンッと跳ねた。

理由はわからないけど、伝わるものがあった。

ただ歩き続けてる中、先生は空いてる石のベンチを見付けて、私を座らせてくれた。



「大丈夫か?」



「大丈夫だけど…」



言葉が続けられない。

聞いたらいけないような気がしてならなかった。

私は暗くなりかけた表情を明るくして、「お茶屋さんに行きましょう!」と、お向かいにあったお店を指差した。

先生は頷いて、人の流れに逆らうように、突き進んでく。

…ねぇ、先生。

私はやっぱり。

世界一、龍哉が大好き。



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