Love Prince―18歳の初恋―【完】
「…癒杏が何をしたんだ」



パパの呆れたような、怒り混じりの声で、井ノ原先生に言われた事を思い出した。



「“俺はお前が嫌いだ。矢田を選ぶような、お前が憎いんだ。メチャクチャにしてやりたい”…それで、抱き着かれた…」



私の消え入りそうな声は、ちゃんと全員に届いていた。

パパはグラスをテーブルに大きな音を起てて置き、「何て教師だ」と、怒りを隠せなくなってた。

お姉ちゃんは「また明日、学校に行くわ」と言う。

反対もせず、聞いてるだけの私。

そんな私に、龍哉が「なぁ…」と、話し掛けて来た。
< 232 / 440 >

この作品をシェア

pagetop