Love Prince―18歳の初恋―【完】
走り出した杏奈を追い掛け、2人で夜道を突き進む。

杏奈が大切にして来た癒杏ちゃんは、俺にも大切な存在で。

可愛い妹。



「ちょっと、速い!;;」



杏奈が一番な分、一緒に守りたくて、次第に走るペースが速くなる。

遅れる杏奈の腕を引き、走り続けると、貞包家の前に、癒杏ちゃんを抱き上げ、荷物を車に乗せてる兄貴が居た。



「お兄さん…癒杏は…!」



「迎えに来たら抱き着いて来て、一瞬で寝た」



「え…走って来たのに;;」



杏奈は地面にしゃがみ込み、乱れた息を整える。

街灯が照らす癒杏ちゃんの腕にある赤い痣から、玄関先に目を向ける。

そこには、杏奈のお父さんと、お兄さんが立って居た。




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