みんな同じ顔

鏡の中の世界


…いや、何を言っているんだ、私は。

鏡の世界なんて嘘だ。
真実は自分の目で見えることだけじゃないか。

現実の世界でも、
いつだって鏡は嘘の私を写していたじゃない。




本当の私の顔は、他人しかわからない。




そうだ、私はしばらく鏡で顔を見ないうちに、
自分の顔を認識できなくなっているだけだ。

あれ?でも、何が本当なの?


今の、私の目は何を見ている?

左右逆転の世界?
イデアの世界?
鏡の世界?



私はどこに来てしまったんだろう。

私は鏡を見つめ考えた。


「あなたは、誰ですか?」



ふと言葉にしたときに
はっと何かに気づいた。

この世界で一番疑問なのは、

私自身だ…。
< 13 / 22 >

この作品をシェア

pagetop