月の骨


「100億分の1だ。」


「何?」


「あんたに隕石が落ちる確率。100億分の1。


 そんなものにすがるのは、もうやめる。」


 僕はぴしゃりと言い放ち、まるで奇妙なものでもみるような斎藤の視線を無視して、僕は応接室を出て行った。


 玄関の扉を開けるとき、犬が飛び出してくるんじゃないかと一瞬思ったけれど、それでも良かった。

 腕でも脚でも、好きなところをくれてやる。



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