TWO WISH〜もしも願いが2つ叶うなら…〜
「そぅいえば…。昨日の深夜、ロビーに行ったよねぇ?」


『うん…。』




“昨日のコトは聞かないで”



チカは心のどこかでそぅ願った。




「その途中でチカ…。どっか行っちゃったよねぇ?」



願いも虚しく、あっさり聞かれた。




『そぅだっけ?』



チカは必死に誤魔化そうとする。



「どっか行っちゃったじゃん!」


『あぁ〜。アレね!アレは…。そぅ!自動販売機におつりを忘れちゃって取りに戻ったの!』


「ホントにぃ?」


『ホントに…。』



少し下を向いて言った後、顔色を伺う様にミリを見上げた。



「そっかぁ!私も寝呆けてて、あんまり覚えてないんだけどさ!」




嘘付いちゃってごめん…。



自分でも分からないんだけど、あの出来事は私の中だけに留めておきたいって思ったの…。
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