お兄さんと【完】

「クリスマスのときに一緒に撮った写真だよ。現像したから稀那ちゃんにも渡したかったんだ。」


「わぁっ!ありがとう。」


封筒を開けてみると、大きなシャンデリアの前でぎこちなく笑う私とかっこいい星くんの姿があった。


は、恥ずかしいね...。


「今日は2人きりじゃないけど、一緒に初詣行けたし、稀那ちゃんの着物姿も見られたし、いい正月が迎えられたよ。」


そう言いながら廊下で私の前髪に振れてきた星くん。


間近で向かい合う私たち。


背の高い星くんを見上げて目を合わせると、私の頬が熱を帯び始める。


「私も...、私も今日星くんに会えてよかったよ!今年も、よろしく...ね?」


「こちらこそ。」


嬉しそうに笑いながら返してくれた返事に、私は恋をした。


いや、正確にはもう恋してるけど、もっと星くんが好きになった気がしたの。


今年もいっぱい星くんといろんなところに行けますように...。
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